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  ABICとは ABICSとは
AOTとは ACPとは 関連技術資料
ABICとは

 AOT/ACP-Based Image Codecを略して,

と呼びます.統一規格であるJPEGやMPEGが,離散コサイン変換(DCT)を核とした画像圧縮システムであるように,ABICは適応的直交変換(AOT)と交流成分予測(ACP)を核とする画像圧縮システムです.シェッジは,AOT/ACP技術を多様なマーケットに適用するために,高い性能を発揮する新システムABICを開発しました.ABICのプロトタイプには,PABIC,FABICとCABICがあります.

 汎用静止画像用コーデックFABIC
符号化効率 常にJPEGよりも高い性能を発揮します.
符号化・復号時間 汎用CPUでソフトウエア実装した場合,JPEG・PABICよりも高速で符号化および復号を行います.
サムネイル機能 より少ない計算量で1:4と1:2の縮小画像を生成できます.
主観的画品質 モスキートおよび疑似輪郭等のノイズは発生せず,ブロックノイズも目立ちません.

 人工画像向け静止画像用コーデックPABIC
符号化効率 自然画像に対してはJPEGよりも高く,CGやアニメーション等の人工画像では極めて高い性能を発揮します.
符号化・復号時間 汎用CPUでソフトウエア実装した場合,JPEGよりも高速で復号します.
主観的画品質 モスキートおよび疑似輪郭等のノイズは発生せず,ブロックノイズも目立ちません.

 動画像用コーデックCABIC
符号化効率 画像の性質に依存せずに,MPEG2よりも高い性能を発揮します.
復号時間 汎用CPUでソフトウエア実装した場合,MPEG2よりも高速で復号します.
主観的画品質 モスキートおよび疑似輪郭等のノイズは発生せず,ブロックノイズも目立ちません.

ABICSとは

 画像圧縮技術を利用したいとき,利用目的に関わらず,統一規格されたJPEGやMPEG,あるいは古い技術であるGIFが利用されます.この現状にユーザーは,満足しているのでしょうか?シェッジは,ユーザーが本当に必要とする最高水準の画像圧縮システムをAOT/ACP技術によって実現します.言い換えれば,PABICやCABICという規定の商品を提供するだけではなく,オーダーメードの新しいシステムを開発します.シェッジが提供するこのソリューションとサービスを,ABIC Systemsといい,これを略して,

といいます.ABICSには,次の特徴があります.
 共同開発
ユーザーの目的に合わせて,圧縮ツールを共同開発します.
共同開発は,静止画像圧縮ツールで約1ヵ月,動画像圧縮ツールで数ヵ月程度を要します.

 マルチブランド
 開発されたツールは,ユーザーだけのオリジナルブランドとなります.         

 技術・特許のシェア
オンライン・オフライントレーニング(OLT)を通じて,共同開発された新技術をユーザーとシェアします.
共同開発で獲得された特許を,ユーザーとともにシェアします.

AOTとは

 AOTは,96年にカオス・フラクタル理論で著明な徳永隆治助教授(筑波大学)によって提案された新しい圧縮原理です.従来の直交変換は画像の統計的性質に基づいて圧縮を行いますが,AOTは画像の幾何学的性質に注目して圧縮を行います.この為に妥当な統計的仮定が成立しないCGやアニメーション等の人工的に構成された画像データでもAOTは常に高い圧縮効率を実現します.

 上の画像は,同一のファイルサイズまで圧縮したPABIC(左)とJPEG(Adobe_Photo_Shop 右)の復号画像を張り合わせたものです.クオリティーの差は,歴然としています.
(CG:フェイフェイ,(c) e-frontier)

ACPとは

 ACPは,DPCMと同様の予測符号化方式の一つです.従来からその可能性が研究されてきましたが,乗算あるいは除算等の複雑な演算を必要とすることからその実装は困難でした.シェッジは,加減算およびビットシフトで実装可能な予測式を利用することでこの問題を解決しています.ACPを併用することで圧縮効率があがるだけではなく,ブロックノイズやモスキートノイズを緩和することができます.

 上の画像は,同一のファイルサイズまで圧縮したFABIC(右)とJPEG(MS_Photo_Editor 左)の復号画像を張り合わせたものです.(写真: Two macaws by Steve Kelly)
関連技術資料

 ACPおよびAOTに関して,以下の技術資料が既に公表されております.ご興味のある方は,シェッジまで御連絡下さい.
 ACP
高橋隆史,徳永隆治,
画像ブロックの平均値から交流成分を予測する高速演算アルゴリズム,
電子情報通信学会論文誌 D-II,vol.J81-D-II,no.4,p.778(1998)

 AOT
ユ ヒョンベ,高橋隆史,長谷川友紀,徳永隆治,
コンデンセーション変換の拡張によるLIFS画像符号化法の改良,
電子情報通信学会論文誌D-II,vol.J81-D-II,no.7,p.1576(1998)
ユ ヒョンベ,高橋隆史,河野裕之,徳永隆治,
LIFS画像符号化法の画品質改善―グラム・シュミットの直交化法を用いた拡張コンデンセーション変換の複合―,
電子情報通信学会論文誌 D-II,vol.J81-D-II,no.12,p.2731(1998)
三浦高志,板垣史彦,村上聡,川島深雪,
適応的直交変換を併用したLIFS符号化に関する一考察,
電子情報通信学会論文誌 D-II,vol.J82-DII,no.11,p.2169(1999)

三浦高志,板垣史彦,村上聡,川島深雪,
適応的直交変換によるカラー画像圧縮一有効性の検証とJPEGとの比較一,
電子情報通信学会論文誌 A,vol.J83-A,no.6,p.802(2000)



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